Aria

書きます

ノート:クイズの面白さについての予備的な考察

クイズは問いと答えからなります。
これは当然のことです。問い、それは問題-文であったり、問題-画像であったり、あるいはもっと複雑だったり、これと指しにくいものであったりするかもしれませんが、少なくとも謎を、欠落を喚起させるもの。わたしたちがそれを聞いて、見て、感じて、悩んで、解釈して、理解して、信じるべきもの。ひとつの投げかけ。それが問いです。
そして答え。わたしたちが問いと格闘した末に導かれるべきものとして、あらかじめ用意するもの。そしてまた問いが目指すもの。問いの不在の中心。わたしたちがそれではないかと思いながら声に出し、書き、示すもの。わたしたちが提出する証拠物。何らかの説明、あるいは図像、身振りや仕草、音、そのすべてのためのひとつの言葉。それを答えといいます。

しかし、クイズは問いと答えだけからなるのではありません。
それは先ほどの文章にすでに現れています。クイズをするのはわたしたちです。問いを発見し、問いを発し、問いに直面し、問いに逡巡するのはわたしたちです。答えを求め、定め、探り、決断するのはわたしたちです。だからわたしたちの行為そのものがクイズの一部なのです。
問いはわたしたちなしにはあり得ず、答えはわたしたちなしにはあり得ず、そして、問いと答えを結びつけるのもまた、わたしたちなのですから、クイズはわたしたちなしにはあり得ません。わたしたちは種々の行為によってクイズを成り立たせており、その一部にもなっています。

この基本的な条件にもとづいて、クイズについて考えるためのいくつかのレベルを考えることができます。わたしが考えたいのは、「面白いクイズ」とは、あるいは「クイズが面白い」とはどういうことか、ということです。このことを先ほどの条件にもとづいて考えると、だいたい次のようなことを区別する必要があることがわかります。

1.「面白い問い」は「面白いクイズ」だろうか?
2.「面白い答え」は「面白いクイズ」だろうか?
3.「問うことが面白い」ということは「クイズが面白い」ということだろうか?
4.「答えることが面白い」ということは「クイズが面白い」ということだろうか?

この4つの問いに対する答えは、どれもイエスであり、ノーではないかと思います。「面白いクイズ」/「クイズが面白い」の条件は、この4つをすべて満たしていることではなく、すべて満たしていないことでもたぶんなく、一部を満たしていて一部を満たしていないことではあるかもしれません。というのも、この4つの問いは、それぞれがまったく別のものを生み出すように思われるのです。

わたしたちがクイズをしている(この表現をどうか可能なかぎり広くとらえてもらいたいのですが)ときに思わず発する「面白い」という言葉は、この4つの問いのどれともっともよく結びつくのか(それとも、すべてと等しく結びつくのか)。わたしたちはいったい、何が面白くてクイズをしているのか。
わたしはそのことをいつも考えながら、4つの問いに対するわたしなりの答えと、他の人の4つの問いに対する答えのあいだに存在する可能性のある絶望的な懸隔のことを思って不安になります(その不安がわたしにこの文章を書かせています)。わたしはある人が、クイズを出している人のことをまったくどうでもいいと思いながらクイズを面白く思っているさまを想像します。またある人が、世界/社会のことをほとんどまったくどうでもいいと思いながらクイズを面白く思っているさまを想像します。またある人が、過去とまったく同じ問いを際限なく反復しながらクイズを面白く思っているさまを想像します。またある人が、クイズに対してまったく沈黙をつらぬきながら、クイズを面白く思っているさまを想像します。どれも簡単に想像できることで、わたしはそのどれでもないと思いながら、わたしはそのどれでもあるようにも思います。

わたしが「面白いクイズ」/「クイズが面白い」について考える必要があると思うのは、わたしたちがクイズをしているから、クイズをしているのがわたしたちだからです。もっと正確に言うと、わたしはつねに「わたしたち」としてクイズをしているからです。わたしだけがいるということでは当然なく、わたしがいてあなたがいるということだけでもなく、わたしたちがいてクイズをしている。この「わたしたち」という複数は疑わしいものですが、わたしはしかし、クイズをするときにはわたしたちでしかあり得ない、だからわたしたちという人称のもとに語るべきことがある。わたしたちがクイズをしているときに思わず発する「面白い」という言葉は、ただわたしが発するという以上の意味で成立しているはずで、だからそこには何かを考える余地があるのではないかと思っているのです。
「それは面白い」という記述は、「わたしはそれを面白いと思う」という記述にすぐに横滑りしてしまいます。でも、面白いということと、何かを面白いと思うこととはぜんぜん別であるということもあるのではないかとも思います。「それは面白い、しかしわたしはそれを面白いと思わない」という文にも、「わたしはそれを面白いと思う、しかしそれは面白くない」という文にも意味を認めることができたときに、はじめて、面白いクイズとは何か、クイズが面白いとはどういうことかということを改めて問うことができるようになるのだと思うのです。

今回はこのあたりで。

問題集『知識の短さについて』発刊のお知らせ

『知識の短さについて』というタイトルの問題集を出しました! 買ってください!

知識の短さについて - L.R.I. - BOOTH

とはいえただ買ってくださいというのも芸がないので、どんな問題集かということを多少は紹介したほうがいいと思ったのですが、例題を切り出すのがややもったいないような気もしたので(かつそれでは伝わらないことが多い気もしたので)、ある程度ざっくりとどんなものかという話をしてみます。

基本プロフィールは以下のような感じです。

収録問題数:400問(ペーパー50+早押し350)
難易度:普通〜難
問題文の長さ:短〜中

問題作りの上でのもっともわかりやすい特徴としては、400の小ジャンルを設けて、1ジャンル1問になるように問題を作ったという点が挙げられます。作問に使ったジャンル表はそのまま掲載してあるので、それを楽しめる部分もおそらくあります。

題材や表現は全体としてやや固めで、突っ込んだ出題と見られるものや、前提がやや高く設定されているものが一定数ありますが、構文や言い回しが難しいということはなるべく避けたつもりです。ジャンル別の出題数は下記の通りです。

自然科学:30
応用科学:20
人文学・社会科学:20
歴史:40
文学:40
芸術:30
音楽:20
地理:40
社会・産業:40
暮らし:30
スポーツ:40
メディア:40
雑学:10

コラムについてですが、今回は問題の中身とは別にコラムを設けるということはしませんでした。問題に紐づいた形でものを書くほうが(少なくとも今回は)やりたいことであるような気がしたからです。その代わりに、問題の意図の解説や、その問題から発想したもう少し一般的な話などをやや厚めにしています。したがって、全体として読み物として楽しんでもらうという気持ちがやや強いと言えます。

とはいえ、フリバで使えないわけでは全然なく、むしろ早押しのことを考えながら作った問題がほとんどなので、最初は聞いて触れるほうがいいかもしれません。フリバはエンドレスチャンス・誤答罰やさしめのルールで行ったほうがおそらく楽しいと思います(企画自体はダブルチャンス・6⚪︎3×を主なルールとして実施しました)。

また、冒頭に「はじめに」を置いており、末尾には(「おわりに」ではなく)「あとがき」を置いています。ここでは企画としてどんな問題意識をもっていたかというような話をやや抽象的な形でしています。「あとがき」は単体で読んでもそれなりに読めると思います。

だいたいこんなところです。やる気のない宣伝のようになっていますが、問題に触れない形で中身を知らせるということにどちらかというと興味があってこれを書いているので、むしろあまり魅力を潤色しないように気をつけたつもりです。

もし興味が湧くことがあれば手に取っていただると幸いです。それでは。

あなたはどうしてクイズをしているの?

どうして大会に出たいとあまり思えないのかについてきちんと考えをまとめたいと思っていたが、それより前に考えておく必要があるのは、そもそもどうしてわたしはクイズをしているのかということだ。自分がどうしてクイズをしているかがわからないのに、クイズのなかでしていたりしていなかったりすることがある理由がわかるはずもない。そのように考えるのは実際はそれほど妥当ではなく、生きる意味がわからなくても寝るときは布団を敷いたほうがいいとかそういうことはわかるのでなんとも言えないのだが、いずれにせよ、クイズについてはさまざまな行為がそれなりに堅牢な連合をもって存在していると考えられるのでそのように考えてもいいのではないかと思っている。それは基本的にはどうでもいい。

あなたがクイズをするのはなぜか、と問うときにそこで問われているのは何か、と思うとまたよくわからなくなってしまう。その問いはたとえば、あなたは何に喜びを感じてクイズをしていますか、とか、あなたがクイズを通じて得たいものは/失いたくないものはなんですか、とか、クイズがなくなったときにあなたの人生はどう変容しますか/どう変容していたと考えられますか、とか、そういった問いに変換することができるようで変換できず、何かに喜びを感じることはそれを選ぶことの理由ではありえないし、何かを通じて得られるものはそれ自体の目的ではないし、わたしにとって必要な要素と不必要な要素のすべてがその存在の有無によってわたしの人生を変容させる余地をもっている。どうしてこんなことをしたのか、という親が子どもを叱るときに発される問いは結局存在の弁明にまで行き着くしかない、ということは、たとえば『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』などをわざわざ持ち出してこなくてもわかるようなことであって、自分についてもわからないことを相手に問いかけても意味がなく、それは結局、自分にしか問うことができない。

あなたがクイズをしている意味を問うということは、あなたがクイズをしているということに意味があると、わたしが思っているということで、それはそれほど自明ではなく、あなたがクイズをすることはまったくの無意味であるということがありうる。そのほうが実感に近い。わたしはクイズによってほとんど何も得ていない。わたしはクイズによって多くのものを失った(その代償として、ということでなく)。わたしは意味のためにクイズをしているわけではない。わたしは無意味のためにクイズをしている、という言い方はレトリックにすぎない。レトリックという言葉を目にする機会はほとんどの場合、レトリックにすぎない、という否定の表現においてだが、その言葉に積極的な意味をあなたが与えるとき、あなたのしていることはまさしく、レトリックにすぎないという言葉に隠れているような否定の影をまとっているのではないかと、そのように怖れを感じることがある。これは私信ではない。

無意味によって得られるものはべつにまあそれなりにあるもので、無意味のなかに身を置いていたいと思うこともそれなりにあるものだ。クイズを意味づけることへの否定が、そのままもっと具体的な行為への否定につながってしまう危うさをもっているのに、大会に出ないのに大会を開くというのはおかしいのではないかと思うのは、それはそれでそんなに納得できないことかもしれない。つまり、クイズがコミュニケーションであるとわたしが定立するとき、わたしが否定しているものはコミュニケーション的ではないクイズなのかというとそんなことはべつになく、クイズがコミュニケーションであるというのは、わたしがこんにちはと言ってあなたがこんにちはと言ったり言わなかったりするという程度に不確かさを持っている類のことで、あなたはこの文章をたぶん読みやすいとは感じておらず、あなたは必死にわたしに話しかけているのだが、わたしにはそれがまったく聞こえないという様態でさえコミュニケーションだということなのだ。

つまりシステムのことだ。あなたは問いと答えのペアを用意しているから、それがコミュニケーションの用意になるというだけの話で、コミュニケーションのほとんどは虚しい断絶にすぎないということを認めないのはナイーヴにすぎ、だからクイズをしている人の多くにあなたが絶望するとしても、それは初めからクイズに埋め込まれた絶望なのだということになる。だからそれは結局、特段絶望に値するようなことではないということになるかもしれない。そもそも努力するとか練習するとかが苦手だ、という話をしてもいいが、それはそんなにクイズのこととは関係がなく、わたしが苦手なのはどちらかというと、努力をしたり練習をしたりすることで何かがある程度できるようになるという仕組みのほうで、その喜びのほうで、何もできないままただ踊っていたり喋っていたりするのがクイズだと、わたしは本当はそう思っていたいのかもしれない。そんなことはないのだけれど。

リハビリについて人に話したことがある。わたしは大学に合格するために努力した、努力してしまった、そのせいでなんだかいろいろなことを覚えてしまったし、いろいろなことがわかるようになってしまった、しかもそれは人と差をつけるということにはっきりと結びついていて、わたしはそれを初めから最後までずっと嫌っていたはずなのに、そのために努力したらなぜだか形が刃のようになっていてそれが気に入らなかった、だからわたしは摩耗するために、自分の意味づけされた知識の塊を無意味のなかに溶かしていくためにクイズをしたのだ、というような。理のある話だと、少なくとも実感のこもった話だとは思うけれど、それならどうしてあなたは、クイズで強くあるということに卑しい欲望を抱いているのだろう、とも思ってしまう。

あなたとの関係を守るためにわたしはクイズをしている、ということさえ方便にすぎない。あなたはそのうち、クイズを通じていようがいまいが橋を渡す必要はあったということに気づくのだし、わたしの前から去っていた多くの人と、あなたの前から去っていった多くの人がいたということに対して、クイズに何か意味をもたせようとするのはどんなにわずかなものでも矩を超えていて、あなたが人を大事にするということは、あなたが人を大事にするということで、それ以上でもそれ以下でもないのだ。初めから結論は出ていた。クイズはわたしにとって長いあいだずっと、苦しくないコミュニケーションの方法だっただけで、わたしはそれ以外の話し方をもう多く知っており、だからクイズにはもうほとんど何も求めていないし、何も求められないのだということだ。あなたはもう船に乗ってベトナムを発っており、フランスへと帰りながら、おそらく愛していなかったわけではなかったのかもしれないと、そのように回想しながら、そのように回想することしかできない状況に押し込まれて、そしてまだそこにいるのだ。それで、そのような状況で、あなたはなぜ、まだクイズをしているのか、という問いこそが、本当の問いになるのだ。

2022年2月2日 使用問題

1
大の味の素好きとして知られており、絶筆となった作品にも、カラスミを「ざくざく切って」「代用味の素をどっさり振りかけ」たグロテスクな料理を登場させている小説家は誰?
太宰治

2
訓練施設の「ガガーリン宇宙飛行士訓練センター」を中心に広がる、ロシアにおける宇宙開発の拠点となっているモスクワ郊外の都市を日本語では何という?
星の街

3
シトラスフレーバーの「ルーシア」、ピーチフレーバーの「ペティル」、クセのない「アリア」などのラインナップがある、JTが女性向けとして販売しているタバコの銘柄は何?
ピアニッシモ

4
ヨルシカの曲『言って。』のMVで、前奏、1番後の間奏、ラストカットに共通して登場する構造物は何?
階段

5
ぶどうの産地・山梨県に本社を置き、「ぶどうの城」といった意味のフランス語に由来する言葉を社名としている、アイスやケーキ、シュークリームなどのスイーツを手頃な値段で販売するメーカーはどこ?
シャトレーゼ

6
水を吸って膨らむと体長は3mほどにもなり、よく似た赤い体色の種とともに世界最大級のナマコとされる、特徴的な骨片の形から名づけられたナマコの一種は何?
オオイカリナマコ

7
大きくお湯をかけるやり方と火で炙るやり方に分けられる、タイやスズキなどの魚を皮つきのまま刺身にするときに、皮を加熱したあとすぐに冷水でさます調理法を何という?
皮霜

8
2023年公開の映画では若き日のウィリー・ウォンカを演じる予定となっている、『君の名前で僕を呼んで』のエリオや、『DUNE/デューン 砂の惑星』のポールを演じた俳優は誰?
ティモシー・シャラメ

9
次に示す4つの歌は穂村弘の『シンジケート』からの引用ですが、それぞれ1箇所空所(〇〇)をあけています。共通して入る言葉を答えてください。
.
〇〇に飲ませる林檎の匂いのバリウムが桶いっぱいにゆれる月の夜
何ひとつ、何ひとつ学ばなかったおまえに遥かな〇〇のシャワーを
「耳で飛ぶ〇〇がほんとにいるのならおそろしいよねそいつのうんこ」
サバンナの〇〇のうんこよ聞いてくれだるいせつないこわいさみしい

10
戦前、田舎の学校で田植えの時期や稲刈りの時期に設けられた、子どもが家業を手伝うための数日程度の休みを漢字4字で何という?
農繁休暇(農繁休業)

11
宮本賢二、ブノワ・リショー、ローリー・ニコルといえば、フィギュアスケート選手を支えるどのような職業の人?
振付師

12
事故で両親を亡くした田汲朝(たくみ・あさ)と、その叔母で少女小説家の高代槙生(こうだい・まきお)との同居生活を描いた、ヤマシタトモコの漫画は何?
『違国日記』

13
映画『ドライブ・マイ・カー』の主人公・家福悠介は、作中で多言語演劇を手掛ける演出家として知られています。そんな家福が手掛ける『ワーニャおじさん』において、ソーニャの役を演じるイ・ユナが演技の際に用いる言語は何?
韓国手話

14
1台の価格は安くても30万円以上で、一般ユーザーはまだまだ手を出しにくい、Microsoftが提供するゴーグル型のMR(複合現実)デバイスは何?
HoloLens

15
単為生殖や生物の冷凍保存などについての実験を私設研究所で行っており、その成果などを綴った詩的なエッセイはかの澁澤龍彥も耽読したという、父には著名な劇作家エドモンをもつ生物学者は誰?
ジャン・ロスタン

16
1840年にイギリスで発行された切手で、1ペニー切手の色は黒でしたが、2ペンス切手の色は何色だった?

17
毎年、野外音楽フェスの「りんご音楽祭」や、小澤征爾の名を冠したクラシック音楽祭が開かれている、中部地方の都市はどこ?
松本市

18
2000年に渋谷・本店に開業したものは、いわゆる「デパ地下」がグルメスポットとして一般化するきっかけとなった、東急百貨店の地階に広がる商業施設は何?
東急フードショー

19
もてなしの精神「テランガ(Teraanga)」が国民に息づいている、西アフリカの国はどこ?
セネガル

20
金属バット、デルマパンゲとともにユニットライブ「話をする人と話を聞く人」を何度か開催している、自ら「ファンタジーエピソードトーク」と称する漫才で人気の、幸(みゆき)と彩(あや)からなるお笑いコンビは何? 
Dr.ハインリッヒ

21
【四択、先に選択肢が出ます】
①夜に光って見える
②ほぼ完全なサイクロイドである
③色がカラフルに変化する
④透明度が非常に高い
.
コロンビアを流れる「世界一美しい」と称される川「カーニョ・クリスタレス」は、どのようなことで有名? 

22
半円型を波のように繰り返した、ブラウスやパンプスに時折見られる縁取りを、「ホタテ」を意味する英語から何という?
スカラップ

23
かかとが前になった逆向きの足をもち、足跡で狩人を混乱させるとされる、ブラジルの民話に登場する怪物は何?
クルピラ

24
ベルギー代表でもMFとして「黄金世代」の一角を担う、高いパス精度や強烈なミドルシュートを武器に活躍するマンチェスター・シティ所属のサッカー選手は誰?
ケヴィン・デ・ブライネ

25
鋭く突き立った氷の破片を中心に配し、氷塊に閉じ込められて船が難破した光景を張り詰めた筆致で描いた、ドイツの画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの絵画は何?
『氷の海』

 

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以下一言二言コメント

1 「グッド・バイ」より。好物とは思えない。

2 『宇宙兄弟』で覚えた。

3 「女性向けとして」のあたりに苦しみがあった。パッケージの色に言及しても良かった。

4 階段というよりは踊り場が大事なのかもしれない。

5 châteauとraisinから。本当は名前でなく味に頼りたかった。

6 赤いのはクレナイオオイカリナマコでこっちのほうが大きい。ウミヘビに間違えられることも多いらしい。

7 選択肢がよくなかったかも。「湯引き」をはじくのが大変だった。「松皮造り」は無理だった。

8 かっこいい。ぜんぜん関係ないがかっこいいといえば最近は池田エライザのインスタをよく見ている。

9 後ろ2つしか知らなかった(最後のが特に有名)がちゃんと読んだら意外とあった。1つ目が特にいいですね。

10 ふつうに「稲刈り休み」「田植え休み」などともいう。みんはや特有の限定の必要が生じて苦しんだ。

11 元フィギュアスケート選手ではある。ローリー・ニコルはたぶん浅田真央の振付師として有名。

12 素直に作ることでしか実現できないものもある。料理の描写がいい。若い世代を単純に理想化しないのもいい。

13 答えを「手話」にするか「韓国手話」にするかしばらく迷ったが言語とする以上はということで後者にした。ラストシーンで特に印象的。

14 欲しい。

15 「アンドロギュヌスについて」に出てきた。ゾウリムシは生殖を求めずに交接のようなことをすると書いてある。ヘドニスムだね。

16 色を問う問題だけどどちらかというと言葉ベースなので良いことにした。

17 りんご音楽祭の動画がYouTube上によくある。セイジ・オザワ松本フェスティバルは以前サイトウ・キネンであったもの。

18 生活の妥当なクイズを作りたかった。渋谷東急フードショーは昨年リニューアルオープンした。

19 説明しがたいことに踏み込むかどうか迷った。サッカー代表は「テランガのライオンたち」という。

20 お笑い芸人の出し方にはよく悩んでいる。ネタでは近所に死神が越してきたやつとご本人登場を好んでいる。

21 選択肢を先に出すとゲーム性が変わるのでたまには面白いと思う。

22 かわいい。

23 『ガラシとクルピラ』というむかし読んだ絵本のことを急に思い出したので作った。

24 「顔が赤い」みたいな愚にもつかないフリで出すところだった。

25 どうやって形容表現の妥当性を担保するかを考えていた。いい絵はいい絵感をちゃんと出したほうがいいけれど失敗もしばしばある。

〈おわり〉

問題集『道』における問題流用について

先日、河野翔雲さんのTwitter@taotao0615)において、氏の問題集『道』にて他人の問題の流用があったことが公表されました。このことについて、流用された問題の作成者(の一部)である井口と寺内からも経緯を説明させていただきます。

2019年12月31日、寺内がTQCのメンバーと『道』を使ってフリバをしていたところ、夏合宿で行った井口・寺内共同企画と前フリまで一致している問題がいくつもあることに気づきました。実際に確認すると一字一句同じ問題がペーパークイズ(全60問)から32問抜き出されていることが分かったほか、企画者側のミスで事実と異なっている問題もそのまま流用されており、裏取りすらしていない状態で売り出されたものである可能性が浮上しました。すぐに共同企画者の井口に連絡し、以下の対応をすることにしました。
①我々の企画から問題を流用したことを認め、謝罪してもらう
Twitterでこの事実を自ら公表してもらう
③問題集を購入した方にPDFの削除を求め、付属の編集可能なエクセルファイルについては我々の企画から流用した問題のみ差し替えてもらう
河野さんに連絡したところ「メモから作問したためこのような酷似した問題文になった」とのことでしたが、とりあえず対応していただくことはできました。

しかしその後、同じ夏合宿で行われた藪田企画のペーパー(ビジュアル問題を除いて全25問)にも、8問酷似した問題があることが判明しました。
最初の段階で「同じメモから作ったもので似たような状況になっている問題がないか確認していただいて、もしあれば同様に削除していただきたい」と伝えていたにもかかわらず、その時点で藪田企画から流用したと思われる問題はExcelファイルに残ったままでした。この状況を考えると、河野さんが誠実に対応していたとは考えにくく、我々の方から説明する必要があると考えました。このことをLINEで河野さんにお伝えし、改めて説明を求めました。
それに対して、現在改めて問題を確認し削除を行っているところであり、以下のURL先のツイートで説明をしたとの返答をいただきました。
https://twitter.com/taotao0615/status/1212370654609068038?s=21
ツイートの内容から、メモ起こしではなく流用であったことが明らかになったと思われたのでその点を確認し、肯定の返答をいただきました。流用元についてはっきりさせるため説明をお願いし、以下のURL先のツイートとおおむね同内容の説明を受けました。
https://twitter.com/taotao0615/status/1212391382960103424?s=21
その後、我々からは問題集の取り下げをすすめ、河野さんがそうされたことでひとまず事態は収束したというように考えています。以上が大体の経緯です。

今回問題だった点は大きく分けて
◯我々だけでなく、他の人の問題を流用しているという可能性が本人も否定できないこと
◯流用によって他人に不利益を与える恐れがあった(実際に与えた)こと
の2点だと考えています。個人的な範囲で他人の問題をどう扱うかは自由ですが、それを自分の問題かのように公表することは許されない行為です。皆様も他人の問題の扱いには十分お気をつけください。

流用の対象となった井口・寺内企画は、問題集にまとめることを計画しているものです。河野さんの方からもTwitterで言及がありましたが、PDF・Excelファイルについては削除していただくよう我々からもお願いいたします。

同じようなことが今後起こらないよう願っております。

2020年1月2日 寺内一記 井口凜人

ノーベル文学賞受賞予想 使用問題

1.ヨーロッパ周遊から帰国するとソモサ打倒の運動に参加し、1979年に成立したサンディニスタ政権では文科相をつとめるなど政治にも積極的に関わった、ソレンチナーメ群島での宗教的共同体建設の試みで知られるニカラグアの詩人は誰?[1925]

2.1995年の『緩やかさ』以降は執筆言語をフランス語とし、最近でも2014年に『無意味の祝祭』を発表するなど活動を続ける、1984年に著した代表作『存在の耐えられない軽さ』で知られるチェコの作家は誰?[1925]

3.11世紀の盲目の詩人マアーリとアルチュール・ランボーの影響のもと、アラビア詩の伝統に囚われない清新な作風の詩を書いてきた、本名をアリー・アフメド・サイード・アスバールというシリアの詩人は誰?[1930]

4.代表作の一つ『血と暴力の国』は『ノーカントリー』として映画化されており、また『悪の法則』といった作品では映画脚本も手がけている、『すべての美しい馬』に始まる「国境三部作」や『ザ・ロード』といった作品を著しているアメリカの小説家は誰?[1933]

5.1993年の『異境』(原題:Remembering Babylon)はフェミナ賞など色々受賞して日本語訳もされた、『An Imaginary Life』『Johnno』といった作品で知られるオーストラリアの小説家・詩人は誰?[1934]

6.『死者の軍隊の将軍』がフランス語訳されると国際的評価を得た、『誰がドルンチナを連れ戻したか』『夢宮殿』などを代表作とし、2005年には第1回国際ブッカー賞を受賞したアルバニア出身の作家は誰?[1936]

7.1970年代後半から農村での民衆演劇運動を指導し、これが反体制的であるとして一時拘禁された、英語で著した小説『泣くな、わが子よ』や、キクユ語で著した戯曲『したい時に結婚するわ』などの作品で知られるケニアの作家は誰?[1938]

8.ユーゴスラビアからの移住者であり、Ivan V. Lalićなどの東欧の詩人たちの作品を多く英訳している、『コーネルの箱』『世界は終わらない』などの作品で知られるアメリカの詩人は誰?[1938]

9.今年(2019年)のエルサレム賞を受賞。「名前に文豪が2人も入っている」と冗談まじりに紹介されることもある、『オン・ボクシング』や、ジェフリー・ダーマーを題材にした『生ける屍』といった作品で知られるアメリカの小説家は誰?[1938]

10.はじめは研究者として出発し、大学でドイツ文学を講じる傍ら『オーストリア文学とハプスブルク神話』などの著書をものした、『もうひとつの海』『ドナウ』といった小説で知られるイタリアの作家は誰?[1939]

11.フェミニズム等に立脚した批評活動でも知られ、カナダ文学の鍵を「サバイバル」にみた評論集『サバイバル』は重要である、『昏き目の暗殺者』『またの名をグレイス』『侍女の物語』といった作品で知られるカナダの作家は誰?[1939]

12.娘のパウラを失った体験をもとにしたノンフィクション『パウラ、水泡なすもろき命』を1994年に発表したのちしばらく執筆活動を中止したが、最近でも2018年に『日本人の恋びと』を著すなど精力的な活動を続ける、『ゾロ』『精霊たちの家』などの小説で知られ、某有名大統領とも血縁があるチリの作家は誰?[1942]

13.自らのユダヤ系という出自に取り組んだファミリー・ストーリー『ある一族の物語の終わり』がおそらく唯一の日本語訳となっている、冷戦期は当局に睨まれつつ、『回想の書』で国際的評価を確立したハンガリーの作家は誰?[1942]

14.ヴィム・ヴェンダースとのタッグでも知られ、自身の作品の映画化や『ベルリン・天使の詩』では脚本をつとめている、『幸せではないが、もういい』や、初期の代表作『不安:ペナルティキックを受けるゴールキーパーの』『観客罵倒』で知られるオーストリアの作家は誰?[1942]

15.2001年、『クコツキイの症例』によってロシア・ブッカー賞を女性として初めて受賞した、2004年の『心を込めて、あなたのリューリク』以降「もう長編は書かない」と宣言したが、『ソーネチカ』『メディアとその子供たち』といった初期長編の評価は高いロシアの作家は誰?[1943]

16.1974年から81年までポール・オースターと結婚していたこともある、『ほとんど記憶のない女』『話の終わり』『サミュエル・ジョンソンが怒っている』『分解する』などのユニークな小説で知られるアメリカの作家は誰?[1947]

17.作詞家としての出自や作品の世界的なヒットから「文学のポップスター」と称されることもある、『ベロニカは死ぬことにした』『星の巡礼』『アルケミスト』といった小説で知られるブラジルの作家は誰?[1947]

18.1990年代に著した『ヴァーチャル・ライト』『あいどる』『フューチャーマチック』の「橋」三部作など、多くの作品で日本を舞台に設定している、ブルース・スターリングとの共作『ディファレンス・エンジン』や、『ニューロマンサー』に始まる「電脳三部作」で知られるアメリカのSF作家は誰?[1948]

19.ジョン・ヴァーリイやマイクル・ビショップとともにレイバー・デイ・グループの一員に数えられる、『星の光、今は遠く』や、『ゲーム・オブ・スローンズ』としてドラマ化された『氷と炎の歌』シリーズで知られるアメリカのSF/ファンタジー作家は誰?[1948]

20.カルロス・フエンテスの作品の中で「ノーベル賞をとる最初のアルゼンチン人だ」と登場人物に評されている、「マオとレーニン」「試練」などが収められた『文学会議』や、『わたしの物語』といった作品が邦訳されているアルゼンチンの作家は誰?[1949]

21.評論『Eros the Bittersweet』も評価が高い、サッフォーなどのギリシャ文学に影響を受けた詩風で知られ、今年(2019年)のナイサーオッズではトップに選ばれているカナダの詩人は誰?[1950]

22.スターンの『トリストラム・シャンディ』のスペイン語訳も評価が高い、ウェイン・ワン監督の映画の原作となった『女が眠る時』や、『白い心臓』『執着』といった小説で知られるスペインの小説家は誰?[1951]

23.石牟礼道子、バオ・ニンとともにアジアの作家として『池澤夏樹=個人編集 世界文学全集』に作品が収められている、その収録作である『暗夜』や、『黄泥街』といった作品で知られる中国の作家は誰?[1953]

24.邦訳は早稲田みかによる『北は山、南は湖、西は道、東は川』がおそらく唯一である、同郷の映画監督タル・ベーラによって映画化された『ニーチェの馬』『サタンタンゴ』といった作品で知られるハンガリーの作家は誰?[1954]

25.「ブルージーンズ世代」の旗手として活躍しており、『ルーマニアポストモダン』といった評論も著している、叙事詩『レヴァント』や短編集『ぼくらが女性を愛する理由』で知られるルーマニアの作家は誰?[1956]

26.代表作の一つ『スザンナ』ではイプセンの妻を題材にしており、「ヘンリク・イプセンの再来」との評価も受けている、『眠れ、よい子よ』『ある夏の一日』『だれか、来る』といった戯曲で知られるノルウェーの劇作家は誰?[1959]

27.1982年以降ドイツでの暮らしを続け、執筆活動もドイツ語と日本語の両方で高い評価を受ける、英訳が全米図書賞を受賞した『献灯使』や、『雪の練習生』『地球にちりばめられて』といった作品で知られる作家は誰?[1960]

28.『中国では書けない中国の話』『ほんとうの中国の話をしよう』といったエッセイは中国で発禁処分を受けているが海外での評価は高い、『兄弟』『血を売る男』『活きる』といった小説で知られる中国の作家は誰?[1960]

29.これまでに『プラヴィェクとその他の時代』『昼の家、夜の家』でニケ賞の候補となっており、同賞および昨年(2018年)のブッカー国際賞を『逃亡派』で受賞したポーランドの作家は誰?[1962]

30.ソウル芸術大学の文芸創作科で教授をつとめる、最近翻訳された『すべての、白いものたちの』や、日本で「新しい韓国文学シリーズ」の第1作として刊行された『菜食主義者』などの小説で知られる韓国の作家は誰?[1970]

 

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1.エルネスト・カルデナル
2.ミラン・クンデラ
3.アドニス
4.コーマック・マッカーシー
5.デイヴィッド・マルーフ
6.イスマイル・カダレ
7.グギ・ワ・ジオンゴ
8.チャールズ・シミック
9.ジョイス・キャロル・オーツ
10.クラウディオ・マグリス
11.マーガレット・アトウッド
12.イサベル・アジェンデ
13.ナーダシュ・ペーテル
14.ペーター・ハントケ
15.リュドミラ・ウリツカヤ
16.リディア・デイヴィス
17.パウロ・コエーリョ
18.ウィリアム・ギブスン
19.ジョージ・R・R・マーティン
20.セサル・アイラ
21.アン・カーソン
22.ハビエル・マリアス
23.残雪(ざん・せつ)
24.クラスナホルカイ・ラースロー
25.ミルチャ・カルタレス
26.ヨン・フォッセ
27.多和田葉子
28.余華(ユイ・ホア)
29.オルガ・トカルチュク
30.韓江(ハン・ガン)

 

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名前と『存在の〜』は知られていそうなクンデラは語り口がとても面白い。イスマイル・カダレ、ミルチャ・カルタレスク、多和田葉子とかは専門に近く、ウィリアム・ギブスンは願望。ジョージ・R・R・マーティンはある書評サイトでオッズに載っていてこれはと思ったので今後数年に期待が持てるかも。チャールズ・シミック柴田元幸御大の授業に出てきたので驚き。アン・カーソンはそんなに一般読者向けでもないみたいだが果たして。トマス・ピンチョンとかは別に入れなかったけどどうなんでしょう(ついでに入れなかった人の話をすると高銀とかはどういう扱いになるのだろう。逆にアディーチェとかは若いけれどどうか)。ハン・ガンももうすぐ50ですってね。
それにしても全然関係ない話をすると翻訳を読むのも楽しいもので、やはり翻訳者にも個性はあるわけです。良い文学とはこうだみたいなことを言う人も最近は少ないですが良い翻訳とはこうだみたいなことをナイーブに言ってしまう人は今でもいますよね。リディア・デイヴィスニコルソン・ベイカーに出会わせてくれた岸本佐知子さんは素晴らしい方です。